
疎水性シリカ(Fumed Silica / Hydrophobic Silica)とは|表面処理による増粘・分散安定・撥水性を持つ機能性微粒子
疎水性シリカ(Fumed Silica, Hydrophobic Silica)は、シリカ表面に疎水化処理を施した機能性微粒子で、増粘性、分散安定性、撥水性に優れた先端材料です。樹脂、塗料、インキ、接着剤、コーティングなど幅広い分野で利用されています。
疎水性シリカは、フュームドシリカの表面シラノール基を有機処理することで、湿気や水分に対する高い安定性を持ち、分散性の向上、沈降防止、撥水性の付与などの特性を発揮します。一般的な親水性シリカと比較して、疎水性シリカは水系・溶剤系の両方で高い分散安定性を示します。
当社が取り扱う疎水性シリカは、一次粒子径、BET比表面積、表面処理剤の種類など複数グレードをラインナップしており、用途に応じて最適なタイプを選択できます。
用途としては、
・増粘剤(Thickener)
・分散安定剤(Dispersion Stabilizer)
・撥水性付与(Water Repellency)
・沈降防止(Anti-settling)
・チキソトロピー付与(Thixotropy Control)
などが挙げられ、特に増粘性・分散安定性・撥水性が求められる用途で高い効果を発揮します。
一次粒子径、比表面積、表面処理剤など複数グレードをご用意しており、価格・最小ロット・納期についても用途に合わせて柔軟にご提案可能です。

日本の疎水性シリカ市場の特徴|成熟市場なのに比較情報が少ない理由
日本の疎水性シリカ(Fumed Silica / Hydrophobic Silica)市場は、国内メーカーが複数存在し、品質も安定した成熟した分野です。しかし、用途ごとに最適なグレードを比較検討するための情報が少なく、技術者が選定に苦労しやすいという課題があります。
疎水性シリカは、表面処理剤の種類、一次粒子径、BET比表面積、疎水化率など、性能を左右する要素が多く、メーカーごとに仕様が異なるため、横並びで比較しにくい素材です。また、海外製品の情報が日本語でほとんど公開されておらず、価格帯や性能の選択肢が見えにくい状況があります。
当社は海外工場との直接ルートを持ち、用途に応じたグレード選定やサンプル提供が可能です。国内品・海外品を含めた比較検討をサポートし、必要な性能を過不足なく満たす最適な疎水性シリカをご提案します。
疎水性シリカの特長(Features of Hydrophobic Silica)
FEATURE1
増粘性
(Thickening Property)

疎水性シリカは、微細な一次粒子が三次元ネットワークを形成することで、樹脂・塗料・インキなどに優れた増粘効果を付与します。少量添加でも粘度を大きく調整でき、流動性の制御や沈降防止に役立ちます。
FEATURE2
チキソトロピー性
(Thixotropic Behavior)

疎水性シリカは、せん断力が加わると粘度が低下し、静置すると粘度が回復するチキソトロピー性を示します。この特性により、塗布性の向上や垂れ防止、均一な塗膜形成に貢献します。
FEATURE3
分散安定性
(Dispersion Stability)

表面処理されたシリカ粒子は、樹脂・溶剤・オイルなどに均一に分散しやすく、沈降や分離を抑制します。分散安定性が高いため、長期保存時でも製品の安定性を維持しやすい特長があります。
FEATURE4
撥水性
(Hydrophobic Property)

疎水化処理により、粒子表面が水を弾く性質を持ち、吸湿や水分による劣化を抑制します。湿度の高い環境でも性能が安定し、耐久性の向上に寄与します。
FEATURE5
流動性の改善
(Improved Flowability)

微細で均一な粒子形状により、粉体としての流動性が高く、樹脂・塗料・接着剤などに混合した際の作業性を向上させます。均一な分散が得られるため、製品品質の安定化に役立ちます。
FEATURE6
多用途性
(Versatility)

疎水性シリカは、増粘、チキソ性、撥水性、分散安定性など複数の機能を同時に付与できるため、塗料、インキ、接着剤、樹脂、コーティング剤、化学製品など幅広い分野で利用されています。用途に応じて粒度・表面処理タイプを選択できます。
環境・サステナビリティへの貢献(Sustainability & Environmental Impact)
疎水性シリカは、表面処理による撥水性と高い化学的安定性を併せ持つ機能性フィラーであり、製品の長寿命化、CO₂削減、廃棄物削減など、環境負荷低減に寄与します。
分散性の向上や耐湿性の付与により、幅広い用途で環境価値を発揮する素材です。
疎水性シリカの用途
疎水性シリカは、表面を疎水化処理した微粒子構造により、分散安定化、増粘、撥水性付与、粉体流動性の改善など、多様な機能を発揮する材料です。塗料・インキ・樹脂コンパウンドから、化粧品、接着剤、電子材料まで幅広い分野で利用されており、配合設計に応じて操作性向上や耐久性の付与など、用途に応じた性能改善に貢献します。

塗料・コーティング用途(Coating Applications)
塗膜の濡れ性や表面特性を最適化するために、疎水性シリカは 撥水性 や 防汚性、そして表面の 滑り性制御 に利用されます。微細粉体が均一に分散することで、マット感の調整や耐久性向上にも寄与し、外装・内装を問わず幅広い分野で採用が進んでいます。
■ 外装・内装塗料の表面制御(撥水・防汚)
- 表面の濡れ広がりを抑える 撥水性 により、汚れ付着を低減
- 微細粉体の均一分散による 防汚性の向上
- 表面エネルギーを調整し、塗膜の 滑り性 を最適化
- 耐久性を高め、外装・内装の仕上がりを安定化
■ マット化・質感調整(艶消し塗料)
- 光散乱による自然な マット感 の付与
- 微細凹凸の形成で 艶ムラ を抑制
- 膜厚の均一化により仕上がりの質を安定
- 用途に応じた 質感調整 が容易
■ 工業用コーティング(耐久性・滑り性)
- 摩擦を低減し、摺動部品の 滑り性 を改善
- 表面の微細構造により 耐擦傷性 を向上
- 分散安定性が高く、塗膜の均一性を確保
- 長期的な 耐候性 を付与し、表面保護に貢献

樹脂・コンパウンド用途(Resin & Compound Applications)
樹脂加工における流動性や成形性の課題に対し、疎水性シリカは 流動性向上 や 離型性改善、さらに微細補強による 表面品質の安定化 に貢献します。分散性が高まることで加工プロセスが安定し、射出成形・押出成形など多様な用途で扱いやすさが向上します。
■ 射出成形の流動性・離型性改善
- 樹脂中での分散が安定し、溶融時の 流動性 が向上
- 金型への付着を抑え、成形サイクルを短縮する 離型性 を確保
- 微細補強により、成形品の 表面平滑性 が改善
- 成形条件のばらつきを抑え、品質の安定化に寄与
■ 押出成形の加工安定性向上
- 粘度を適切に調整し、押出時の 吐出安定性 を向上
- 微粒子が樹脂のレオロジーを制御し、ダイスビルドアップ を抑制
- 分散性の向上により、押出品の 寸法安定性 が改善
- 表面のムラや粗さを抑え、外観品質を向上
■ 樹脂補強・表面品質の改善
- 微細粉体が樹脂マトリクスに均一に分散し、補強効果 を発揮
- 表面の微細凹凸を抑え、成形品の 外観品質 を向上
- 熱変形や収縮のばらつきを抑え、寸法安定性 を確保
- 樹脂の種類を問わず、幅広いコンパウンドで利用可能

シーリング材・接着剤用途(Sealant & Adhesive Applications)
施工時の垂れや沈降といった課題に対し、疎水性シリカは チキソ性付与 や 沈降防止、さらに粘度の 長期安定化 に効果を発揮します。均一な仕上がりと収縮抑制に寄与し、建築・自動車・設備など幅広い分野で安定した施工性を実現します。
■ チキソ性付与による施工性の安定化
- 配合量に応じて チキソ性 を調整でき、垂れや流れを抑制
- 施工時の形状保持性が高まり、均一なビード形成が可能
- 温度変化に対して粘度が安定し、作業性のばらつきを低減
- 垂直面や天井面でも扱いやすく、施工品質を安定化
■ 沈降防止・分離抑制による長期安定性
- 充填材や樹脂の沈降を防ぐ 分散安定化 効果
- 保管中の相分離を抑え、製品の 長期安定性 を確保
- 粘度の経時変化を抑制し、出荷後の品質トラブルを防止
- 高粘度系でも均一性を維持し、混練工程の負荷を軽減
■ 収縮抑制・密着性向上による仕上がり改善
- 乾燥・硬化時の 収縮を抑制 し、ひび割れを防止
- 微細粉体が界面に作用し、基材への 密着性 を向上
- 仕上がりの凹凸を抑え、外観品質を安定
- 建築・自動車・設備など幅広い基材で効果を発揮

化粧品用途(Cosmetic Applications)
メイクアップやスキンケア製品の使用感を高めるために、疎水性シリカは 皮脂吸着 や 感触改良、そして自然な仕上がりを生む ソフトフォーカス効果 に利用されます。粉体の広がりやすさが向上し、テカリ抑制や化粧持ちの改善に貢献します。
■ 皮脂吸着によるテカリ・化粧崩れの抑制
- 疎水化処理された粉体が皮脂を効率的に 吸着 し、テカリを抑制
- 皮脂によるファンデーションの ヨレ・崩れ を防止
- 粉体の広がりが良く、薄く均一に伸びることで仕上がりが安定
- 長時間の使用でも化粧持ちが向上し、快適な使用感を維持
■ 感触改良・滑らかな塗布性の付与
- 微細で球状に近い粒子が、肌上での 滑らかな伸び を実現
- 粉体の凝集を抑え、ムラのない 均一な塗布性 を確保
- べたつきを抑え、サラッとした 軽い感触 を付与
- 乳化系・粉体系どちらの処方でも使用感の改善に寄与
■ ソフトフォーカス効果による肌補正
- 微細粒子が光を拡散し、毛穴や凹凸を 自然にぼかす
- 厚塗り感を出さずに、肌の 均一感 を向上
- 光学的効果により、明るく滑らかな印象を演出
- ファンデーション、下地、スキンケアなど幅広い処方で活用可能

インキ・印刷用途(Ink & Printing Applications)
印刷時のにじみや乾燥性の課題に対し、疎水性シリカは 流動性制御 や マット化、さらに印刷適性を高める 乾燥性改善 に寄与します。微細粉体がレオロジーを調整し、安定した表面仕上げと質感表現を可能にします。
■ インキの流動性・レオロジー制御
- 微細粉体がインキのレオロジーに作用し、流動性 を安定化
- にじみやドットゲインを抑え、印刷の 再現性 を向上
- 高濃度系でも粘度が安定し、印刷機での扱いやすさが改善
- 温度変化に対して粘度が変わりにくく、品質のばらつきを低減
■ マット化・質感調整(印刷表面の仕上げ)
- 光散乱による自然な マット感 を付与し、質感を調整
- 表面の微細凹凸を形成し、艶ムラ を抑制
- グロス値をコントロールし、用途に応じた仕上げが可能
- 透明インキ・白インキなど多様な処方で安定した効果を発揮
■ 乾燥性・定着性の改善
- 微細粒子が溶剤の揮発挙動に影響し、乾燥性 を改善
- 表面へのインキ定着を助け、にじみや擦れを抑制
- 速乾性が求められる高速印刷でも安定した仕上がり
- UV・溶剤・水性など、幅広いインキ系で利用可能

粉体・充填材用途(Powder & Filler Applications)
粉体の固結や吸湿による扱いにくさを改善するため、疎水性シリカは 流動性向上 や 吸湿抑制、さらに保管時の 固結防止 に利用されます。粉体表面に均一に付着することで、取り扱い性と品質安定性を大きく向上させます。
■ 粉体流動化による取り扱い性の改善
- 粉体表面に付着した微粒子が凝集をほぐし、流動性 を大幅に向上
- ホッパー詰まりやブリッジを抑え、供給の 安定性 を確保
- 粉体同士の摩擦を低減し、搬送ラインでの扱いやすさが改善
- 高湿度環境でも流動性が維持され、作業効率が向上
■ 吸湿抑制・固結防止による保管安定性の向上
- 疎水化処理により粉体表面の 吸湿 を抑制
- 湿気による固結やダマ化を防ぎ、長期保管でも品質を維持
- 粉体の再分散性が高く、投入時の混練ムラを低減
- 食品・化学品・工業材料など幅広い粉体で効果を発揮
■ 充填材としての分散性・均一性の向上
- 微細粉体が母材に均一に分散し、充填性 を改善
- 粉体の偏りを抑え、製品の 均一性 を確保
- 他の添加剤との相溶性が高く、処方設計の自由度が向上
- 樹脂・ゴム・粉末材料など多様な基材で利用可能
ご希望の用途に応じて、最適な粒径・数量をご提案可能です。価格や納期は仕様により変動いたしますので、詳細はお気軽にお問い合わせください。
安全性・取り扱い(Safety & Handling)
疎水性シリカは非常に軽量で微細な粉末のため、取り扱い時には飛散や吸入を防ぐための基本的な安全対策が必要です。
以下は一般的な取り扱い上の注意点であり、詳細はSDSをご確認ください。
飛散防止(Prevention of Dust Dispersion)
- 粉末が舞いやすいため、静かに取り扱い、必要に応じて局所排気設備を使用してください。
- 開封時は風のない環境で作業することが推奨されます。
吸入回避(Avoid Inhalation)
- 微粒子の吸入を避けるため、防じんマスクなど適切な保護具を着用してください。
- 長時間の作業では十分な換気を確保してください。
皮膚・目の保護(Skin & Eye Protection)
- 粉末が目に入らないよう保護メガネを着用してください。
- 皮膚に付着した場合は水で洗い流してください。
- 目に入った場合は速やかに洗眼し、必要に応じて医師の診察を受けてください。
保管方法(Storage Conditions)
- 湿気を避け、密閉容器に入れて保管してください。
- 高温多湿・直射日光を避けて保管してください。
- 他の化学品と混在させないよう注意してください。
廃棄方法(Disposal)
- 廃棄は地域の法規制や産業廃棄物処理ルールに従って適切に行ってください。
- 飛散しないよう密閉して処理してください。
SDS(安全データシート)について
- 製品のSDSはご依頼に応じて提供可能です。
- ご購入前に必要な場合は、お問い合わせにてお知らせください。
疎水性シリカ 製品ラインナップ(Product Lineup of Hydrophobic Silica)
疎水性シリカは、粒径・比表面積・疎水化率が性能を左右する重要な要素です。
用途(増粘、チキソ性付与、撥水、充填材など)に応じて、粒径や表面処理の最適設計が求められます。

疎水性シリカの粒度分布(Particle Size Distribution of Hydrophobic Silica)
粒度分布の制御が重要な理由(Why Particle Size Control Matters)
- 粒径が小さいほど比表面積が大きく、増粘・吸着性能が向上する。
- 粒径が大きいと流動性が高まり、分散性が向上する。
- 表面処理の均一性は粒径分布に影響される。
測定方法と分布の特徴(Measurement Methods & Distribution Characteristics)
- BET法で比表面積を測定。
- レーザー回折法で粒径分布を評価。
- 疎水化率はFTIRや滴定法で評価される。
一般的な粒度分布範囲(Typical Particle Size Ranges)
- 一般に 5〜50 μm 程度が多い。
- 撥水用途では小粒径(5〜15 μm)が好まれる。
- 充填用途では大粒径(20〜50 μm)が使われる。
